2011年03月10日

NON'SHEEP 「落下/サメナイユメ」

NON'SHEEP 「落下/サメナイユメ」

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 都内を中心に活動中の3ピースバンド、NON'SHEEPによるライブ会場限定で販売される2曲入りシングル。

 輪郭の際立つフレーズとサウンドの感触が印象的なギター・フレーズ、また幻想的なシンセサイザーのサウンドから幕を開ける一曲目「落下」。それぞれのパートの音が輝き交差する様は美しくありながらどこか悲しくもある。丸みのあるグルーブを奏でながらもタイトなドラムス、一音一音を噛み締めるよう丁寧に鳴らされるベースのリズム隊の上を流れていくメロディがとても滑らかに耳の中へ飛び込んでくる。一見すると暖かいサウンドを形容しているようにも見えるが、実際に楽曲内に流れる空気感はどこかクールな印象であり、刹那的な感情が楽曲の至る所で見え隠れするが、根底にかすかに流れる寂寞感がとても印象に残る。かと思えば曲の中盤で飛び出してくるギター・ソロは、冷たい空気の切れ目から溢れ出てくる熱気のように突然我々の不意をついてくる。この静と動のバランスがとても心地良いのだ。
二曲目に収録されている「サメナイユメ」では一転して広がりのある音像からスタートする。裏で入ってくるハイ・ハットの音色やキャッチーなメロディ、それと絡み合うようなラインが冴え渡るギターのフレーズがとてもポップに響き渡る。しかしはっきりと歌いあげられる日本語歌詞は非常に哲学的で儚いメッセージ性を保有している。ポップなサウンドに乗せられてこのリリックが飛び込んでくるのがとても衝撃的で、そのお蔭でリリックに込められたメッセージはよりリスナーに伝達されていく。

 静と動、ポップネスとダークネスという相反する要素を同時に吸収し、そしてアウトプットする。そもそも感情というものは単一の性質で構成されているものではなく、様々な思いが混ざり合った塊として存在するものである。彼らはロックというツールを用いて人間の感情のリアルな揺れ動き、生々しい息遣いを表現することに成功している。

 2曲とは言え彼らの表現のあらゆる引き出しが詰め込まれたシングル。ライブ会場限定販売なので彼らのライブのダイナミクスと音源の完成度の両方を体験してもらいたい。

Myspace
mixi

発売日: 2011.1.16
価格: \500 (tax in)
posted by puri at 18:42| ディスクレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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